「留学なしでネイティブレベルの英語力を身につける」社会人専門の英語コーチの立石健悟です。
今回は、インテイクの中心となる最も大切なトレーニングである音読の正しい勉強法を紹介します。
みなさんも、学校の授業で必ず先生にさせられていた音読。
先生の「リピート アフター ミー」の後に続けて、教科書を読んでいた記憶もあると思います。
何も考えずに先生の後に続いて音読をしていた方も多いと思います。僕もそのうちの一人でした。
しかし、音読は独学で英語力を上げる際の最強の勉強法である一方、
何も考えずに英語の音読をしてもほぼ意味がなくなってしまうんです。
そこで、
・音読がなぜ最強の勉強法なのか
・正しい音読の方法
の2点を紹介していきたいと思います。
<!-afterwordpress->
音読で得られる効果
音読をすることで得られる効果は以下のようなものがあります。
①英語を英語の語順で理解できるようになるスピードが上がる
=リーディング・リスニング力アップ(速さ)
②理解できるようになる英文の難易度が上がる
=リーディング・リスニング力アップ(難易度)
③単語や言い回しを覚えられる
=リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング力アップ
④発音がよくなる
=発音力だけでなくリスニング力もアップ
⑤英語のリズムが身に付く
=リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング力アップ
⑥英語の勘・センスが身に付く
=英語力が上がりやすくなる
今回は特に音読のメインの効果となる①と②について話していきます。
効果① 英語を英語の語順で理解できるようになるスピードが上がる
黙読と音読の大きな違いは、読む際に声を出すかどうかです。
黙読は、声を出さずに読みます。動くのは目だけです。
そのため、英語を前から理解できなかった場合、目を動かせば簡単に後戻りすることができます。
つまり、
英語の「誰が」「どうする」「何を」「どこで」「いつ」の語順に慣れず、
日本語の「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうした」の語順のまま英語を理解してしまう
癖がいつまでも抜けなくなってしまうんです。
ちなみに、英語を英語の語順で理解していくことを「直解」といいます。
リーディングの場合は「直読直解」、リスニングの場合は「直聴直解」といいます。
この言葉は便利なので覚えておいてください。
黙読をしていると、英語で直読直解をする癖をつけることができません。
しかし、音読をすると声を出すために強制的に英語の語順で理解していくしかなくなります。
口に出して読んでいるため、後戻りができないできないからです。
そのため、英語を英語の語順で強制的に直読直解していくしかありません。
あるレベルの英文をある速さで理解しながら音読をしていけば、
同じレベルで初めて聞く違う英文をその速さで理解できるようになります。
具体例を出します。
例えばあなたがTOEIC600点レベルの英文Aの音読をし続けたとしましょう。
音読をし続け、理解しながら1分間で100単語の音読ができるようになったとします。
すると、あなたがTOEIC600点レベルの英文Bを初めて読んだり、聞いたりしても、
1分間で100単語の速さで英文Bを直解ができるようになるということです。
つまり、
音読の速度を上げていけばいくほど、
同じレベルの英文を理解するスピードが増していく
ということになるんです。
効果② 理解できるようになる英文の難易度が上がる
自分のレベルと同じレベルの英文で音読を繰り返すと、
そのレベルの文章を直解できるスピードがどんどん速くなっていきます。
しかし、それ以上のレベルの英文を直解することができるようにはなりません。
自分のレベル以上の初見の英文が理解できるようになるには、
精読と音読のトレーニングを組み合わせていく必要があります。
もっと詳しく知りたい方は、「精読の効果と正しい方法」をクリック
精読した文章を、意味を理解しながら音読することにより、
自分の頭がそのレベルの英語に対応できるようになってくるんです。
具体例を出します。
例えばあなたが英検2級レベルの英文は理解できるけど、準1級レベルの英文は読んでも理解できないとしましょう。
準1級レベルの英文が理解できるようになりたい場合は、以下のようなトレーニングをしてください。
1.まず、準1級レベルの英文Aを精読し、不明点をなくします。
2.そして、その英文Aを理解しながら音読してください。
3.徐々に音読のスピードを上げていき、もうこれ以上速いスピードが出ないという限界を目指します。
4.別の準1級レベルの英文を用意し、1~4を繰り返します。
人によりますが、だいたい10個ほどの素材を繰り返せば、
英検2級→準1級が読める頭にレベルアップします。
つまり、
自分のレベルより上の素材を繰り返し音読すればするほど自分のレベルがそのレベルに近づいていく
ということになります。
3.リーディングもリスニングも本質的には同じ。
リーディングとリスニングの違いは、目で見るか耳で聞くかの違いだけであり、
最終的には脳で英文の意味を理解しようとするのは同じです。
ですので
音読のレベルが上がる
↓
リーディング力もリスニング力も同時に上がる
ということになります。
もしあなたのTOEICのスコアが600点だった場合、
TOEIC600点レベルの英文の音読のスピードを上げて行けばいくほど、
初見のTOEIC600点レベルの英語をより速く読めるようになりますし、
より速いスピードのTOEIC600点レベルの英語を聴いて理解できるようになっていきます。
また、TOEIC700点レベルの英文の音読をすればするほど、
初見のTOEIC700点レベルの英語を読んで分かるようになりますし、
TOEIC700点レベルの英語を聴いても理解できるようになっていきます。
ただし、リスニングに関しては発音や音のつながりなど克服すべき別の問題があります。
これに関しては別記事を参照してください。
4.音読をする際の注意点
音読する際の注意点として
空音読をしてはならない
ということが挙げられます。
これをしてしまうと英語を英語の語順で理解することが一切できません。
空音読については、別記事「【最短マスター】間違った方法だと意味がない!最強の英語勉強法・音読の正しい方法②」で解説しておりますので、必ず読んでください。
まとめ
今回はメインとなる音読の効果と注意点を紹介しました。
・英文を読む速度が上がり、より速いスピードのリスニングができるようになる。
・より難しい英文を理解できるようになる。
・空音読はしない。
音読についてより詳しい方法を知って本気で英語力を上げたい方は、以下の本を必ず読んでください。
[itemlink post_id=”199″]
國弘先生は、戦後間もない頃英語の教材は中学校のリーダーの教科書しかなく、
その教科書を何万回と音読したことから英語力を上げ、
日本の同時通訳者の草分け的存在となった方です。
その國弘先生が音読の詳しい方法や、音読したものをいかにして英会話につなげるかまでを記した本です。
英語を本気で習得しようとした人たちが必ず読んでいる名著でした。
とても読みやすく、読めば読むほどやる気がかき立てられ、
1時間もあれば読み切ってしまうと思います。
残念ながら、今は絶版となってしまっているので、手に入る内にお早めにお求めください。
次回は、他の音読の効果と、音読の正しい方法についてご紹介していきます。